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蛇韻律

ビルマ 白錫釉双耳小壺 15〜16世紀

赤褐色の荒い胎土に、真珠のような不透明性の白い釉薬が掛けられたビルマの白錫釉小壺。官帽を思わせる双耳や梅鉢のような点紋は一見中国を連想させるが、点紋自体はマルタバン壺にも多用される意匠である。

ミャンマーの陶磁史は、深刻な民族紛争が続いた影響で長らく未解明であった。そのためマルタバン壺は、中国あるいはタイやベトナムで焼かれたものが、中東との貿易の中継地点である現ミャンマーモン州のモケタマ(マルタバン)で発掘されたものと誤認されてきた。しかし近年調査が進み、現地で焼成されたものであることが証明されつつある。

特に、他地域との違いが顕著に現れるのが釉薬である。ビルマの白釉には、中東から齎されたであろう錫を含む鉛釉が用いられているのである。

かつてカンボジアでクメール人と共に祭器を焼いていたモン族は、後にタイ中北部にてハリプンチャイを建国し、スコータイ陶器の礎を築いた。そして現在はミャンマー南東部タイとの国境周辺が彼らの居住地となっている。東南アジア陶磁史は、東西に刻みつけられたモン族陶工の軌跡そのものと言っても過言ではない。

この壺もクメールから西漸してきたモン族によって焼かれたものだろう。そしてそこには、中東伝来の施釉技術のみならず、梅鉢紋の意匠や胴継ぎといった、北方中国を含む異なる地域の影響が渾然一体となっている。まるで複数の川が合流し、海へと注ぐマルタバン湾のように。

特筆すべき瑕疵はなく状態良好。

W13cm × H9.5cm
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