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蛇韻律

瀬戸焼 鉄絵山水図行燈皿 18世紀  

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瀬戸で焼かれた行燈皿。デフォルメされた山水画には異国情緒が漂い、釣り人の描写は火の灯る蝋燭を連想させる。行燈皿の絵付けには、しばしば蝋燭のメタファーが仕込まれているようである。

江戸時代後期に最盛期を迎えた瀬戸窯では、登窯の増加に伴って大量生産が可能となり、陶磁器が広く庶民に行き渡るようになった。しかし、身分社会であった当時の都市部には、同じ町人の中にも細分化された階級区分が存在し、居住地は元より、家財道具にもその差が表れていた。その一つの例が行燈であり、裕福な町人が菜種油や荏の油といった植物油を使用する一方、下級の町人は安価な鯨油やイワシ油などの魚油を灯芯に染み込ませ夜闇に燈を灯していた。

行燈皿は和紙を貼った木枠の中で使用されていたにも関わらず様々な趣向が凝らされており、江戸時代における町人文化の成熟による豊かさの享受を物語る反面、身分制度が個人の階級意識を根強いものにした当時の世相において、冥々の裡にあるものでさえ、他者との差別化という欲求へと結びついていたことが窺える。風流な行燈皿、それは火を灯すための器でありながら、人間存在の暗部まで映し出していたのであった。

油染みもなく状態良好。殆ど使用されぬまま、真鍮製のものに取って替わられたのだろう。

W19.5cm×H2.5cm
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