余焔譚 灰を拭ってわずかばかり注がれる生暖かい滴からは巣を飛び出して蜜を吸う鳥の囀りが聞こえる さっきまで音を立てていた炎が蛍火へと静まり燐火を霞ませながら炭は灰へと変わりゆく 火代にへばりついたまま動かぬ男の寝息があえかな響く夜闇 0002 0004