木原窯 染付梅樹文鉢
ARCHIVED江戸時代前期に肥前平戸領内で焼かれた陶胎染付の鉢。滋味深い貫入に覆われた琵琶色の膚を呈し、絵付けは黒く発色している。所謂「木原茶碗」に類する作例だが、寸法が通常よりも二回りほど大きい。高台の輪郭線から1660〜1680年代の産と推定される。
当時、清朝による海禁政策の影響で中国青花の輸出供給量が激減しており、肥前の染付がその代替を担っていた。中でも大振りな鉢は東南アジア輸出用のものが殆どで、中国の荒磯竜文碗を写した粗製の染付がよく知られる。本作もそれら同様、輸出用として焼かれたものだろう。
表題は木原窯としているが、周辺の諸窯でも類似の陶胎染付が焼かれており、正確な窯は不明。口縁に二箇所、直しが見られる。国内で流通することが少なかったためか唐物と誤認され、箱に「古南京染付」と記されている。
W20.5cm×D19.5cm×H9.5cm
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