陳朝 緑釉石灰壺
¥35,000(税込)
大越国(現ベトナム北部)の陳朝末期に焼かれた石灰壺。石をモチーフにした丸みある器体を成し、檳榔と蔓を模した持ち手を有す。それらの装飾に沿わせるように緑釉を流し掛け、高台脇に鉄錆を施す。
ベトナムでは古くは2世紀から、檳榔の実を噛む「蒟醤」に用いる石灰入れとしてこの種の壺が作られた。こうした造形は同地特有のもので、ベトナム語で「Bình vôi」もしくは親しみと敬意を込めて「Ông bình vôi」(Ôngの語源は漢字の翁にあたり、祖父や年配の男性を意味する)と呼ばれる。具象的な造形感覚や銅緑釉の流し掛けなど、織部焼の着想の源泉を思わせる南蛮情緒溢れる一作。
発掘品のため、小さなソゲや釉薬の剥離が幾つか見られ、内部に土が固着している。太い貫入がぐるりと廻っている箇所や、引っ付きなどの窯傷が見られる。
W8cm×H10.3cm
- キャプションは考察が進み次第随時更新されます。
- 画像は実際の商品と色味が異なる場合がございます。
- ご購入の際には、「特定商取引法に関する表記」をご一読ください。