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八代焼 つぼつぼ文壺

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江戸時代後期に焼かれた八代焼の壺。朝鮮の立壺を思わせる端正なフォルムを成し、茶の湯に由来する文様「つぼつぼ文」を象嵌で施す。釉薬は高麗青磁に類似する爽やかな青緑だが、部分的に乳濁している。半面は艷を放ち、もう半面はマットな質感を呈する。

八代焼は肥後細川藩の御用窯として寛永10年(1633)に開窯。八代郡高田郷に所在したことから「高田焼」とも呼ばれ、現在も稼働を続ける。つぼつぼ文壺は同窯を代表する作例の一つで、象嵌技法が最も成熟していた時代の所産でありながら、敢えて控えめに配された文様が洗練された印象を与える。半島の陶技が茶の湯に結実した、雅味溢れる一作。

胴部に横方向の窯割れが一本見られる。口縁に欠け・削げが見られる。

W19cm×H24cm
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