1630〜40年代に焼かれた初期伊万里の皿。見込み中央に菊花文を描き、外縁には風に靡く草花、或いはそよ風そのものを表したような清涼な絵付けを廻らす。菊花文をモチーフとした初期伊万里の絵付けは数多いが、その中でも本作のような図案は類例が少ない。使い込む毎に味を深めるであろう甘手の膚も魅力となっている。

表裏に荒い貫入が走っている。口縁に小ホツが数箇所と、ニュウが数本伸びているが、状態は概ね良好。