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金太郎焼 蕎麦釉片口鉢

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江戸時代後期に佐渡島で焼かれた金太郎焼の片口鉢。丸みある胴部から注口が鋭く伸び、蕎麦釉が掛かる。口縁、胴から下は無釉とし、濃褐色を呈す。当時日本各地で作られていた片口の中でもとりわけ堅牢で、重厚な趣を醸している。

金太郎焼は佐渡相川で施釉陶器の量産に成功した陶工・黒沢金太郎が興し、寛政12年(1800)から明治初期まで続いた。金太郎は浄土宗法界寺(現法念寺)の住職・玄英上人を叔父に持ち、寺に収められていた作陶秘伝書を見つけた事で陶業への傾倒を深めたとされる。その後、彼は肥前または筑前で修行をしたと考えられていたが、昭和47年(1972)の発掘調査により、窯構造は瀬戸・美濃の系譜を引くものであったことが明らかになっている。

注口と高台畳付に欠け・削げがあり、底部に若干の汚れが見られる。その他、釉切れや窯傷以外に目立った瑕疵は無く、状態は概ね良好。

W16cm×D13.5cm×H9.3cm
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