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陳朝 青磁輪花鎬文茶碗

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大越国(現ベトナム北部)の李朝末期から陳朝初期に焼かれた青磁碗。小振りな高台から丸みを持って立ち上がり、腰部でやや角度を付け、端反りした輪花型の口縁に至る。

ベトナムでは李朝末期に12名の中国人陶工を招聘したことで製陶技術が飛躍的に向上しており、本作の品質も龍泉窯青磁に肉薄している。他方で、高台内の鉄釉は龍泉窯の土色を再現しようとした可能性が高く、また重ね焼きの目跡とは別に設けられた極細で鉄塗りの釉剥ぎも装飾の感がある。こうした中国陶磁の模倣過程で生じた齟齬は、この頃のベトナム陶磁が持つ独自性や魅力に深く寄与している。

全体に薄っすらとカセがあるが、器面の艶は十分に保たれている。高台の小ホツを除き状態良好。町田市立博物館「南海のやきもの」収録品。保存箱付き。

W15cm×H6.5cm
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