陳朝 灰釉茶碗
¥65,000(税込)
大越国(現ベトナム北部)の陳朝期に焼かれた茶碗。薄造りの素直な椀形を成し、複数の溝を設けた特徴的な高台を有する。味わい深い淡緑色の灰釉が高台側面まで掛かり、見込みには五点の目跡が残る。
釉下彩の技術が発展する以前の安南陶磁は、中国の影青や青磁と同様に、造形表現に趣向を凝らしたものが多い。しかし、高台に装飾的な要素を施した作例は中国には少なく、安南陶磁の特色の一つであると言える。薄造りかつ繊細な姿形とは裏腹に、器体は硬く堅牢に焼き上がっており、中世ベトナムの技術的成熟を物語る作行きとなっている。
町田市立博物館「アジアを慈しむー茶人の眼と東南アジア陶磁ー」展(2008年)図録に同手所載。口縁に一箇所、5mm程度の薄い削げの直しが見られる。その他、口縁のカセや高台のホツ以外に目立った瑕疵は無く、状態は概ね良好。
W12.5cm×H7.3cm
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