古備前 三耳壺
¥45,000(税込)
安土桃山時代頃に備前で焼かれた三耳壺。平底から寸胴気味に胴を立ち上げ、肩をなだらかに張って短い頸を立て、口を玉縁に作る。肩には小ぶりの耳を三方に貼り付ける。轆轤目は裾から口まで太く巡り、焼成のうちにわずかに歪んだ胴が、器全体に量感と力感をもたらしている。焼け肌は赤褐から黒、灰へとまだらに移ろい、粗い土に噛んだ砂粒や石はぜが、無釉焼締の土の素性をそのまま露わにする。胴には「力」、底には「七」の窯印を刻む。
備前では室町時代末期から、長大な大窯を複数の窯元が共同で焚くようになり、焼き上がった器の持ち主を見分けるために窯印が刻まれた。古い時代ほど胴部など目立つ箇所に大きく刻まれ、桃山期に入ると小型化して底部へ移る傾向が指摘されており、胴と底の双方に印を持つ本作は、その移り変わりの只中に位置づけられよう。貯蔵の器として焼かれながら、桃山の大窯の火の気配を力強く伝える一壺。
耳の一つは欠失しており、共色の後補が施されている。保存箱と、岡山県備前焼陶友会による鑑定書が付属する。
W19cm×H25.5cm
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