元朝 磁竈窯 褐釉ケンディ形水注
ARCHIVED
元朝期に磁竈窯で焼かれた水注。太く長い首と注口を有す、マレー語由来で「ケンディ」と呼ばれるもの。素地を化粧掛けした上に褐釉を施しており、明度の高い優れた色調を呈している。
ケンディは仏教・ヒンドゥー教・イスラム教のそれぞれで浄瓶として使用されたが、中国では輸出用として焼かれることが多かった。磁竈窯のある福建省泉州には、海上シルクロードの出発点と形容される貿易港があり、本作はそこからフィリピン、インドネシアなどに積み出されたものと思われる。膚に表れた虹彩が眩しい、悠久の旅路を感じさせる一作。
釉薬の剥離が複数ある他、首の上部や注口に薄い削げが見られる。それ以外に目立った瑕疵は無く、状態は概ね良好。
W17cm×D12cm×H17.5cm
- キャプションは考察が進み次第随時更新されます。
- 画像は実際の商品と色味が異なる場合がございます。
- ご購入の際には、「特定商取引法に関する表記」をご一読ください。